抗がん剤ティーエスワンによる涙道閉塞について

TS-1(ティーエスワン)による涙目は、TS-1単独投与の場合そのおよそ16%で見られます。半数は投与開始後3カ月以内に発生します。原因は涙液に抗がん剤の成分が溶け出すことにより、涙小管が障害され閉塞が生じるとされています。

抗がん剤投与後になみだ目の症状が出た場合は、防腐剤無添加の人工涙液を点眼して薬剤を洗い流したり、コンタクトレンズを通常のメガネに変更するなどの対策を取ります。それでも改善しない場合は抗がん剤を休薬することで、多くは改善します。一方、どんどん症状が悪化する場合は強い涙道閉塞を起こし重症化してゆく可能性がありますので、早めに当院へ受診されることをお勧めします。