涙道にやさしい点眼薬

目にも敏感体質があります

開栓後の細菌汚染を防ぐため、抗菌剤をのぞいて、ほとんどの点眼薬には防腐剤が含まれています。塩化ベンザルコニウムなどの防腐剤が代表的です。ところが、これらの添加物にアレルギー体質をもっている患者さんがいるのです。特に化粧水などでも荒れやすい、お肌の過敏症をお持ちの方に多い印象があります。そのため、まじめに点眼を続けていると充血やかゆみなどが出てきたり、涙道が狭窄するなどの副作用を生じる場合があります。これらの副作用が生じた場合には、防腐剤を含まないタイプの点眼薬に変更するほかありません。アレルギーの症状はそう激しいものではなく、患者さん自身では気づかないことも多いので、我々眼科医がいちはやく発見する必要があります。

そもそも点眼薬は涙とともに下鼻道に排出されます。当然、その途中にある涙道は点眼薬の成分の影響をもろに受けやすい部分となります。合わない目薬を長く使用していると、涙道の粘膜が痛んでしまい狭くなってきます。結果としてなみだ目の症状が出てくるので、私のもとへ受診される患者さんの中には目薬が原因の方も少なくないのです。進行状態にもよりますが、目薬を変更してあげるだけでなみだ目が治ってしまう方もいます。

防腐剤のほかにも、一部の緑内障点眼薬には涙道を狭窄させる作用をもつものがあります。この場合も、涙道への影響が少ないタイプに変更してあげることで解決する場合があります。

当院は、粘膜に優しい点眼薬にこだわるクリニックでありたいと思っております。洗顔フォームや化粧水にもこだわる、デリケートなあなたのために。